ほんとうの「食の安全」を考える
畝山智香子 2009
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想
化学同人 DOJIN選書28
【目次】
まえがき
第1章 「基準値」はいかに決まるか
一 残留農薬はすべて〝危険〟なのか?
毒性影響を確認する実験/一日許容摂取量/最大残留基準値/基準値違反は安全性に問題があるのか/回収・廃棄は正しい対応なのか/農薬の暴露量評価/日本の対応に改善を望む
二 天然は常に〝安心〟なのか?
食品添加物の基準値違反/天然添加物/天然だから安心なのか/安全側にどれだけ余裕をもたせるか
コラム1 安全性試験における優良試験所基準とガイドライン
三 安全基準は厳しければよいのか?
タマネギがもし食品添加物だったら/ジャガイモに含まれる配糖体がもし残留農薬だったら/遺伝子組換え食品の安全性
コラム2 レギュラトリーサイエンスとはなにか
四 参考にする値はなにを用いたらよいのか?
中国製冷凍餃子事件/メタミドホスの影響が出る量/残留農薬の基準は中毒症状の値に当てはまらない/日本での毒物混入事件
第2章 発がん物質のリスクの大きさをどう考えるか
一 発がん性とはなにか
「発がん性がある」という言葉の意味/注意すべきは遺伝毒性発がん物質/発がん物質のリスクを比較する/カビ毒と臭素酸カリウムのどちらが危険?
コラム3 動物実験での「発がん性」の定義
二 発がん性のリスク評価
遺伝毒性発がん物質の評価方法/MOEの計算方法/遺伝毒性のリスクをどう評価するか/微量でも発がん物質は危険か/マラカイトグリーンの危険な摂取量/マラカイトグリーンに発がんリスクはあるのか
コラム4 化学発がんの歴史
三 健康的な食生活にもっとも大切なことはなにか?
障害調整余命年数の損失原因/日本での推定/一般の人は発がんリスクをどう受け止めているか/がん予防のためにできること
コラム5 Alar
第3章 食品のリスク分析はどのようになされているか
一 魚中メチル水銀のリスク分析
コラム6 リスクコミュニケーションの一方法としてのパブリックコメント募集
コラム7 安全性が高いと小さいリスクが問題視される
二 トランス脂肪酸のリスク分析
三 緊急時のリスク分析
中国のメラミン汚染ミルク事件/米国ペットフードのメラミン汚染事件/メラミン汚染事件のその後
四 リスクとどう付き合うか
リスク分析の課題/多様な選択肢でリスクを分散させる/リスク分析は日常生活にも役立つ
第4章 食品の有効性をどう評価するか
一 抗肥満薬はやせ薬なのか?
競争の激しい抗肥満薬開発/食欲抑制作用/動物実験だけではわからない副作用/脂肪吸収抑制薬
二 ビタミン剤でがんの予防ができるのだろうか?
ビタミンの健康影響/ビタミン剤にがんの予防効果は期待できない
三 健康強調表示の〝科学的根拠〟とはなにか
健康強調表示はどのようになされているか/魅力的な健康強調表示は期待できない―FDAによる評価/厳密な根拠を要求するEFSA/特殊な認可基準―日本の特定保健用食品の評価/必要となる評価基準の統一
コラム8 高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性について
四 健康的な食生活とは
コラム9 食品は効果も毒性も不明な多数の化学物質の塊
終章 健康的な食生活を送るために―科学リテラシーを育む
一 食の安全の本質はなにか?
オーガニックは優れているか?/情報の本質を見抜く
二 ジャガイモから考える食の安全
あとがき
【抜粋】(第3章 四より)
ひとつ注意しなければならないのは、小さいリスクでも許容できないとして排除してしまうと結果的に選択肢が減って全体のリスクが高くなるということです。
… 中略 …
同じものを毎日食べ続けることによって有害影響が出てしまうという事例は多々あります。典型的なのが単品だけに頼ったダイエット法や健康法、毎日濃縮物を大量に摂るようないわゆる健康食品です。リスク分散によるリスクの低減のためにも、特定のものにこだわらない、いろいろな種類の食品をバランスよく食べる食生活が薦められています。
そのような多様な選択肢を確保するためには、必要以上に厳格な規制は行わないこともまた大切なのです。しかしこれについてはハザードがあると報道されるたびに、なにかを禁止にすることで安心だと感じてしまうような一般の人びとの直感的判断が障害になります。実際には逆で、些細な理由での禁止が多ければ多いほど選択肢は狭められ、リスクは高くなってしまうのです。
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想
化学同人 DOJIN選書28
【目次】
まえがき
第1章 「基準値」はいかに決まるか
一 残留農薬はすべて〝危険〟なのか?
毒性影響を確認する実験/一日許容摂取量/最大残留基準値/基準値違反は安全性に問題があるのか/回収・廃棄は正しい対応なのか/農薬の暴露量評価/日本の対応に改善を望む
二 天然は常に〝安心〟なのか?
食品添加物の基準値違反/天然添加物/天然だから安心なのか/安全側にどれだけ余裕をもたせるか
コラム1 安全性試験における優良試験所基準とガイドライン
三 安全基準は厳しければよいのか?
タマネギがもし食品添加物だったら/ジャガイモに含まれる配糖体がもし残留農薬だったら/遺伝子組換え食品の安全性
コラム2 レギュラトリーサイエンスとはなにか
四 参考にする値はなにを用いたらよいのか?
中国製冷凍餃子事件/メタミドホスの影響が出る量/残留農薬の基準は中毒症状の値に当てはまらない/日本での毒物混入事件
第2章 発がん物質のリスクの大きさをどう考えるか
一 発がん性とはなにか
「発がん性がある」という言葉の意味/注意すべきは遺伝毒性発がん物質/発がん物質のリスクを比較する/カビ毒と臭素酸カリウムのどちらが危険?
コラム3 動物実験での「発がん性」の定義
二 発がん性のリスク評価
遺伝毒性発がん物質の評価方法/MOEの計算方法/遺伝毒性のリスクをどう評価するか/微量でも発がん物質は危険か/マラカイトグリーンの危険な摂取量/マラカイトグリーンに発がんリスクはあるのか
コラム4 化学発がんの歴史
三 健康的な食生活にもっとも大切なことはなにか?
障害調整余命年数の損失原因/日本での推定/一般の人は発がんリスクをどう受け止めているか/がん予防のためにできること
コラム5 Alar
第3章 食品のリスク分析はどのようになされているか
一 魚中メチル水銀のリスク分析
コラム6 リスクコミュニケーションの一方法としてのパブリックコメント募集
コラム7 安全性が高いと小さいリスクが問題視される
二 トランス脂肪酸のリスク分析
三 緊急時のリスク分析
中国のメラミン汚染ミルク事件/米国ペットフードのメラミン汚染事件/メラミン汚染事件のその後
四 リスクとどう付き合うか
リスク分析の課題/多様な選択肢でリスクを分散させる/リスク分析は日常生活にも役立つ
第4章 食品の有効性をどう評価するか
一 抗肥満薬はやせ薬なのか?
競争の激しい抗肥満薬開発/食欲抑制作用/動物実験だけではわからない副作用/脂肪吸収抑制薬
二 ビタミン剤でがんの予防ができるのだろうか?
ビタミンの健康影響/ビタミン剤にがんの予防効果は期待できない
三 健康強調表示の〝科学的根拠〟とはなにか
健康強調表示はどのようになされているか/魅力的な健康強調表示は期待できない―FDAによる評価/厳密な根拠を要求するEFSA/特殊な認可基準―日本の特定保健用食品の評価/必要となる評価基準の統一
コラム8 高濃度にジアシルグリセロールを含む食品の安全性について
四 健康的な食生活とは
コラム9 食品は効果も毒性も不明な多数の化学物質の塊
終章 健康的な食生活を送るために―科学リテラシーを育む
一 食の安全の本質はなにか?
オーガニックは優れているか?/情報の本質を見抜く
二 ジャガイモから考える食の安全
あとがき
【抜粋】(第3章 四より)
ひとつ注意しなければならないのは、小さいリスクでも許容できないとして排除してしまうと結果的に選択肢が減って全体のリスクが高くなるということです。
… 中略 …
同じものを毎日食べ続けることによって有害影響が出てしまうという事例は多々あります。典型的なのが単品だけに頼ったダイエット法や健康法、毎日濃縮物を大量に摂るようないわゆる健康食品です。リスク分散によるリスクの低減のためにも、特定のものにこだわらない、いろいろな種類の食品をバランスよく食べる食生活が薦められています。
そのような多様な選択肢を確保するためには、必要以上に厳格な規制は行わないこともまた大切なのです。しかしこれについてはハザードがあると報道されるたびに、なにかを禁止にすることで安心だと感じてしまうような一般の人びとの直感的判断が障害になります。実際には逆で、些細な理由での禁止が多ければ多いほど選択肢は狭められ、リスクは高くなってしまうのです。
2010-03-01 00:02
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